sit back & relax

脱・燻製ビギナーを目論むへっぽこアラフォー男の格闘

「父」のスイッチをパチン

里帰り出産で1カ月前に出産を終えた妻と赤ちゃんを迎えに
祝日と有給をつなげて4日間、妻の地元である北海道へ行ってきました。

僕にとっては出産直後に一度腕に抱いただけの初息子との再会

今だから正直に言います。
それまでは生後一カ月間スマホのビデオ通話くらいでしか触れ合いの無い赤ちゃんに対して
「己が父親!」っていう実感が無いまま過ごしてきていたのです。
区役所へ足を運んだり、書面上の手続きくらいしかやることもなく。
世の中のお父さんたちはいったいどこで自分がパパになったというスイッチが入るのかが謎でした。

そんな具合でただでさえ不安なことは山ほどあるなか、事前に妻からは
「北海道にピロ君(僕/仮名)が来たら、4日間、授乳以外の赤ちゃんの面倒は一通り全部やって貰うからね!」
と強く言われていたのだ。

コトバにはしないものの、「ちぇ、オレだって毎日遅くまで仕事してるしそれなりに大変なんだけどなぁ。。」
なんていう自負と、父親としての自覚の無さという負い目もあり。
オイオイ初めからあまり飛ばさないでくれよ。的な。心の片隅にどこかそんな想いもあったのだ。

こうして4日間の休みの間は義実家でみっちりと、妻と義母に赤ちゃんのお世話の仕方を叩き込まる事となったのです。

それは正しい赤ちゃんの抱き方の指導から始まる。
ビクビクしながらおむつをそっと開けて、オシッコだったらほっとしてウンチだったらウエっとえづき。
おむつ替えの最中にぶりっとウンチ砲を指に喰らい。おしっこビームも喰らう。
ギャー―と叫んでは妻に助けて貰い。
腰痛と闘いながら沐浴を行い。
抱っこしながら寝かせ付けの極意を義母に教わる。
ウンチのついたタオルの洗い方を学ぶ。
何度繰り返したでしょうか。

3時間おきのギャン泣きベイビー

当たり前なのだが、深夜でも構わずギャン泣き
妻が起きるからいいだろうとタヌキ寝入りを決め込むと起こされる。
「この4日間は授乳以外は任せるって言ったでしょ!」と怒られるのだ。
きっつぅ、、はぁ、こりゃ想像してたより遥かに大変だなぁーと。
赤ちゃん
貴女はこの一か月間どうやってこの生活をしていたんだと。どえりゃー凄いなと。
妻の背中に後光がさして見えたのだ。

そのタイミングで妻がポツリとつぶやくのだ。

妻「あのね、私は東京に帰ってもピロ君にこの生活を続けて貰うためにお願いしてるんじゃないの。」
ぼ「え?そうだったの!?」
妻「当たり前でしょ、会社があるんだから。全部私がやる。でもこの子に何が必要なのかピロ君に知っておいて貰いたかったの。それが夫婦でしょ。」

そうなんスか!?そうだったんスかと!
乾いたスリッパでパキーーンと殴られたような衝撃だった。

ぼ「そ、そうだね。ありがとう」

目の下に大きなクマを作りながら薄闇で授乳を続ける妻に悟られぬよう、僕はひっそりと泣いた。
アラフォーにもなると涙もろくて実に困るのだ。

僕はね、てっきり妻はこの大変さを自分にきっちり体験し叩き込ませる事で「私凄いでしょ?私がんばってるでしょ?」を伝えたかったのかと思ってた。
そんなゲスい推測を一瞬でも考えてしまっていた自分のなんと蒙昧で恥ずべきことかと。
浅はか。恥ずかしい、本当に恥ずかしい。

なんだろう。結局のところ僕は心のどこかに見返りを求めていたのだ。
これをやれば、妻から褒められるんじゃないか。男がこんだけ育児に協力したんだから賞賛してもらえるだろう。
少なからず心のどこかにそんなおこがましい想いがあったのだ。

そしてもっと酷いことに、自分がそうだから妻もそう考えてんだなと。
そんな風に思っていたのだ。

こうして僕は4日間の育児体験を経て、
妻の実家に行く前には無かった父親としての自覚の芽生えと、
生後1か月の息子への無限の愛情を得ることになったのです。

なんというか、心の深い奥底にある謎のスイッチにパチンと手が届いたというか、
とても大事な事に気付かせてくれた妻を深く愛しているのだ。

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